東海・関東ライダーにとっての「聖地」とも呼べる富士山・箱根・伊豆エリア。このルートは、日本屈指のワインディングロードを贅沢に繋ぎ合わせた、まさに「走るために行く」至高のプランです。眼前に迫る富士山の絶景、空へ向かって走るような稜線道路、そして駿河湾の煌めき。技術向上を目指すライダーから絶景ハンターまで、バイクの醍醐味を骨の髄まで味わえる王道必訪ルートをご案内します。

ルート概要
基本ルート詳細:
名古屋方面 → 新東名高速道路 → 長泉沼津IC → 箱根峠 → アネスト岩田ターンパイク箱根(大観山) → 伊豆スカイライン → 修善寺エリア → 西伊豆スカイライン → 達磨山高原 → 戸田(へだ) → 大瀬崎 → 沼津港 → 帰路
走行データ
- 総走行距離: 約350~400km(名古屋発着想定)
- 所要時間: 8~10時間(高速移動・休憩・食事込み)
- 高速料金: 片道約4,500円(新東名・東名利用時)
- 有料道路料金合計: 約2,500~3,000円(ターンパイク箱根・伊豆スカイライン等、二輪車)
- ルート特性: 有料道路中心、良質路面、中~上級者向けワインディング
- ベストシーズン: 11月~2月(空気澄む・富士山くっきり)、4月~5月(新緑)
このルートの最大の魅力は「ワインディングの質」にあります。有料道路は路面が完璧に整備され、適度な交通量で流れが良く、景色も素晴らしいという三拍子揃った環境です。箱根ターンパイクは自動車メディアが試乗で使用するほどの良質路面、伊豆スカイラインは適度な高速コーナーが続く爽快路、西伊豆スカイラインは稜線を走る空中散歩のような浮遊感。それぞれが異なる個性を持ち、バイクの走る喜びを存分に味わえます。
区間別詳細ルート解説

セクション1:高速移動区間(名古屋 → 長泉沼津IC)
新東名高速道路を利用し、約2時間で伊豆の玄関口・長泉沼津ICへ到達します。新東名は制限速度120km/h区間もあり、快適な高速巡航が楽しめます。
高速道路の特徴:
- 新東名は路面が良好で、カーブも緩やか
- 主要休憩ポイント:「NEOPASA駿河湾沼津SA」(富士山の絶景SA)
- 週末は観光客で混雑するため、早朝6時台出発推奨
- 御殿場JCT付近は「魔の渋滞区間」として有名、迂回ルートも検討
セクション2:アネスト岩田ターンパイク箱根 – 日本のニュルブルクリンク
長泉沼津ICから箱根峠を経由し、全長15.752kmの有料道路へアクセスします。「日本のニュルブルクリンク」とも称される、自動車メディア御用達の完璧な路面を持つワインディングロードです。
基本情報:
- 通行料金: 二輪車930円(往復割引:1,490円、JAF割引10%オフ)
- 営業時間: 7:00~19:00(季節により変動)
- 全長: 15.752km
- 標高差: 約800m(箱根湯本~大観山)
- 所要時間: 約20~30分(展望台休憩含まず)
走行の特徴:
- 路面は完璧に整備され、轍やヒビがほぼゼロの「練習場品質」
- 適度なバンク角で楽しめる中高速コーナーの連続
- 交通量は多めだが、流れは良好
- 重要: 覆面パトカーや白バイによる速度取り締まりが頻繁、制限速度厳守
- 週末は四輪車の「走り屋」も多く、マナーの良い走行を心がける

大観山展望台(アネスト岩田スカイラウンジ)
標高1,011mに位置する、ライダーなら一度は訪れるべき聖地です。ここから見る「芦ノ湖越しの富士山」は、日本の美を凝縮したような絶景で、週末は高級スポーツカーやレアなバイクが集まるモーターショー状態になります。
施設情報:
- 駐車場:無料(バイク専用スペースあり)
- スカイラウンジ:展望カフェ、軽食・ドリンク販売
- 名物: 大観山プリン(450円)、富士山を眺めながらのコーヒー
- 早朝は特に空気が澄んでおり、富士山撮影のゴールデンタイム

セクション3:伊豆スカイライン – 稜線の快走路
大観山から熱海峠を経由し、天城高原まで続く全長40.6kmの有料道路です。伊豆半島の稜線を走る爽快なワインディングロードで、適度なアップダウンと中高速コーナーが続きます。
基本情報:
- 通行料金: 区間制、全線利用で約1,000円前後(二輪車)
- 営業時間: 24時間(一部区間は夜間通行止め)
- 全長: 40.6km
- 所要時間: 約50分~1時間(展望台休憩含まず)
走行の特徴:
- 交通量は比較的少なく、快適なペースで走行可能
- 路面は良好だが、ターンパイク箱根ほど完璧ではない
- 稜線を走るため、左右に駿河湾と相模湾を見下ろせる区間も
- 見通しの良い中高速コーナーで気持ちよく走れるが、オーバーペース厳禁
- 注意: 霧が発生しやすく、一瞬で真っ白になることもある
主要展望台
- 標高798m、360度の大パノラマ
- 富士山・駿河湾・相模湾・天城連山を一望
- 人が少なく、静かに景色を楽しめる穴場
- 富士山と愛車を並べた撮影に最適
亀石峠展望台:
- 伊豆スカイライン中間地点の大型休憩施設
- 富士山の眺望が美しい
- カフェ・売店・トイレ完備

セクション4:西伊豆スカイライン – 空中浮遊の絶景路
伊豆スカイラインから修善寺を経由し、西伊豆の稜線を走る全長10.8kmの道路です。現在は無料開放されており、交通量が非常に少なく、まるで「空に向かって走っている」ような浮遊感が味わえる、知る人ぞ知る絶景ワインディングです。
基本情報:
- 通行料金: 無料(かつて有料道路だった良質な路面)
- 営業時間: 24時間通行可能
- 全長: 10.8km
- 所要時間: 約15~20分
走行の特徴:
- 交通量が極めて少なく、貸切状態で走れることも
- 稜線を走るため、左右に駿河湾と山々の絶景
- 路面は良好だが、落ち葉や砂に注意
- 空に向かって走るような浮遊感が最大の魅力
- 「隠れた名道」として上級ライダーに愛される道
- 注意: 強風が吹きやすく、特に冬季は横風に注意

達磨山(だるまやま)高原レストハウス
標高982mの達磨山山頂から駿河湾と富士山を一望できる絶景ポイントです。1939年のニューヨーク万博で「日本一のパノラマ」として紹介された歴史ある景勝地で、特に夕暮れ時は駿河湾に沈む夕日と富士山のシルエットが絶景です。
施設情報:
- 営業時間:9:00~17:00(季節により変動)
- 駐車場:無料(バイク可)
- 軽食・ドリンク販売
- キャンプ場併設(要予約)
必訪メジャースポット詳細

大瀬崎(おせざき)&神池
駿河湾に突き出した岬で、「伊豆の七不思議」の一つである「神池」があることで知られています。海に囲まれた岬の先端にありながら淡水が湧く神秘的な池は、天然記念物に指定されており、鯉やフナが泳ぐ姿を見ることができます。
見どころ:
- 神池: 周囲約100m、海抜0mにありながら淡水が湧く神秘の池
- 大瀬神社: 航海安全の神様として信仰される古社
- ビャクシン樹林: 樹齢1,000年以上の巨木群、国の天然記念物
- 富士山の絶景: 駿河湾越しに見る富士山は絶景(特に早朝・夕暮れ)
- ダイビングの聖地: 日本有数の透明度を誇るダイビングスポット
アクセス:
- 駐車場:有料500円(バイク可)
- 岬の先端まで徒歩約10分
- 所要時間:約30~40分

沼津港
駿河湾に面した港町で、深海魚料理やタカアシガニなど、ここでしか味わえない海の幸が豊富です。港周辺には約100店舗の飲食店や土産物店が立ち並び、「沼津港深海水族館」も人気です。
見どころ:
- 沼津港深海水族館: 深海生物に特化した日本唯一の水族館、入館料1,600円
- 沼津魚市場: 新鮮な海鮮丼や寿司、干物などが楽しめる
- 展望水門びゅうお: 高さ30mの展望台から富士山と駿河湾を一望、入館料100円
穴場スポット&隠れた名所

出逢い岬(戸田エリア)
県道17号沿いにある展望スポット。独特な形をした「御浜岬」と富士山、そして駿河湾を一度にフレームに収めることができます。モニュメントの輪の中に富士山を入れて撮影するのが定番で、インスタ映えスポットとしても人気です。

煌めきの丘(きらめきのおか)
出逢い岬から少し北上した場所にある展望台。名前の通り、太陽に照らされてキラキラと輝く駿河湾の水面が美しいスポットです。松の木と富士山の構図が、まるで浮世絵のような風景を作り出します。
十国峠(じっこくとうげ)
熱海と箱根の境にある峠で、ケーブルカーで山頂へ上がると、360度の大パノラマが広がります。晴天時には伊豆七島まで見渡せ、まさに「十国」が見えることから名付けられました。
基本情報:
- ケーブルカー料金: 往復840円
- 営業時間: 8:50~17:00
- 駐車場: 無料(バイク可)
- 山頂展望台: 富士山・駿河湾・相模湾・箱根連山を一望
西浦(にしうら)の海岸線
沼津市西部の海岸線で、駿河湾沿いを走る穴場のシーサイドルートです。交通量が少なく、海を眺めながらのんびり走れる癒しの道で、淡島(あわしま)を眺める絶景ポイントや、富士山と駿河湾のコラボレーションが楽しめます。
グルメ情報詳細

沼津港の深海魚料理
駿河湾は日本一深い湾(最深部2,500m)で、深海魚の宝庫として知られています。沼津港では、ここでしか味わえない珍しい深海魚料理を提供する店が多数あります。
代表的な深海魚:
- メヒカリ(目光): 深海魚の定番、唐揚げが絶品
- アブラボウズ: 脂が乗った白身魚、刺身や煮付けで
- アンコウ: 冬季限定、鍋や唐揚げが人気
- キンメダイ: 煮付けや刺身で楽しめる高級魚
おすすめ店舗:
- 魚河岸 丸天: 深海魚天丼1,500円、メヒカリ・アブラボウズなど5種類の深海魚天ぷら。名物「海鮮かき揚げ丼」は巨大なタワー状のかき揚げでライダーの胃袋を満たす
- 魚河岸 やまや: 深海魚刺身定食1,800円、新鮮な深海魚の刺身盛り合わせ
- 沼津バーガー: 深海魚バーガー800円、B級グルメとして人気

戸田(へだ)のタカアシガニ
世界最大のカニで、脚を広げると3m以上にもなる巨大なカニです。駿河湾が主な生息地で、戸田港が「タカアシガニ発祥の地」として知られています。9月~5月が漁期で、特に冬季は需要が高まります。
おすすめ店舗:
- かにや(戸田港): タカアシガニ料理専門店、時価(1杯5,000円~)
- お食事処 さかなや(戸田港): タカアシガニ定食3,500円~
注意: タカアシガニは高価で、特に冬季は需要が高まるため事前予約推奨。

沼津のアジの干物
沼津はアジの干物の生産量日本一を誇る名産地です。脂の乗った肉厚なアジを天日干しにした干物は絶品で、港周辺の店では焼きたての干物を食べられます。
おすすめ店舗:
- 沼津ひもの食堂: 干物定食1,200円~、アジ・サバ・金目鯛など選べる
- 魚河岸 丸天: 干物焼き定食1,000円、炭火で焼く本格派
- お土産用: 真空パック入りで持ち帰り可能、1枚300円~
季節別楽しみ方
冬(11月~2月):ベストシーズン
富士山ツーリングの真骨頂は冬にあります。空気が澄んでいて富士山がくっきりと見え、展望台からの景色が最も美しい季節です。冠雪した富士山と青い空、紺碧の海のコントラストは言葉を失う美しさです。
注意点:
- 路面凍結: 箱根や伊豆スカイラインは標高が高いため、早朝や日陰は凍結防止剤(塩カル)が撒かれています。スリップとサビ対策が必要
- 防寒: 氷点下になることもあるため、電熱ウェアなどの最強装備で
- 強風: 箱根エリアや稜線部は「伊吹おろし」などの強風に注意
春(3月~5月)
新緑が美しく、ツーリングに最適な気温です。桜の名所も多く、3月下旬から4月上旬は花見ツーリングも楽しめます。ただし、春霞(はるがすみ)で富士山がぼやけることが多く、ゴールデンウィークは激しい渋滞が発生します。
夏(6月~8月)
標高の高いスカイラインは下界より涼しく、避暑ツーリングになります。ただし、午後は雲が出やすく、スカイライン名物の「濃霧」に遭遇する確率が高くなります。霧が発生した場合は、フォグランプ・ハザード点灯で安全第一の走行を。
秋(9月~11月)
秋は最もツーリングに適した季節で、晴天率が高く、気温も快適です。箱根や伊豆の山々が紅葉し、ススキが黄金色に輝く季節です。空気も澄んで富士山がくっきり見えるようになります。
実用的なアドバイス&注意事項
ガソリンスタンド情報
スカイライン上にはガソリンスタンドがないため、事前の給油が必須です。また、西伊豆エリア(戸田~大瀬崎周辺)はスタンドが少なく、日曜休業の店もあります。
給油推奨ポイント:
- 長泉沼津IC周辺: 出発前に必ず満タンに
- 箱根湯本: ターンパイク箱根へ向かう前の最終給油地点
- 修善寺エリア: 西伊豆スカイライン走行前に
- 沼津市街: 帰路前の給油に
目安: ハイペースで走ると燃費も落ちるので、残り1/2で次のGSチェックくらいの感覚で。
速度取り締まり情報
このルートは速度が出やすく、事故も多いため、警察による重点的な取り締まりエリアです。
- ターンパイク箱根: 覆面パトカーや白バイが頻繁に巡回、「走り屋」が多いため特に厳重
- 伊豆スカイライン: 白バイ、覆面の噂が絶えない。見通し良すぎて飛ばしがちだが、制限速度厳守
- 国道1号・箱根新道: 速度取締機やネズミ捕りに注意
路面・交通状況
- ターンパイク箱根: 路面は完璧だが、週末は走り屋も多い。安全運転を心がけ、煽られても自分のペースを守る
- 伊豆スカイライン: 路面は良好だが、落ち葉や砂が浮いているコーナーもあるため注意
- 西伊豆スカイライン: 交通量は少ないが、路面に落ち葉が多い時期は滑りやすい
- 霧の発生: 標高の高い場所では霧が発生しやすく、マジで一瞬で真っ白になる
- 強風: 箱根エリアや伊豆スカイラインの稜線部は強風が吹くことがあり、特に冬季は注意
有料道路の割引情報
ターンパイク箱根:
- 往復割引:1,490円(通常片道930円×2=1,860円)
- JAF会員割引:10%オフ
- 公式サイトのクーポン利用で割引あり
伊豆スカイライン:
- 回数券購入で割引
- ETCカード利用で一部区間割引(対応状況は事前確認必要)
携行品
- レインウェア: 山間部は天候が変わりやすい
- 防寒着: 標高差が大きいため、気温変化に対応できる装備を
- サングラス: 海の照り返しが強い
- 小銭: 有料道路料金所でETCが使えない場合が多い
- カメラ: 絶景スポットが多いため、撮影機材は必携
- モバイルバッテリー: 電波は概ね入るが、バッテリー切れが一番怖い
モデルタイムスケジュール
日帰りプラン(約10時間、走行距離約400km)
- 6:00 名古屋出発(新東名利用)
- 8:00 長泉沼津IC到着、給油(必須)
- 9:00 ターンパイク箱根走行開始
- 9:30 大観山展望台到着(富士山・芦ノ湖の絶景、朝食・コーヒー)
- 10:30 伊豆スカイライン走行開始
- 11:30 玄岳展望台で休憩
- 12:30 西伊豆スカイライン走行
- 13:00 達磨山高原レストハウス(ランチ・絶景)
- 14:30 大瀬崎到着(神池・ビャクシン樹林散策)
- 15:30 西浦海岸線をクルージング
- 16:30 沼津港到着(深海魚料理・アジの干物購入)
- 18:00 沼津IC出発(帰路)
- 20:00 名古屋着
1泊2日プラン(走行距離約500km)
【1日目】
- 7:00 名古屋出発
- 9:00 長泉沼津IC到着、給油
- 9:30 十国峠(ケーブルカーで絶景体験)
- 11:00 ターンパイク箱根走行
- 11:30 大観山展望台(ランチ・絶景)
- 13:00 伊豆スカイライン走行(各展望台で休憩)
- 15:00 西伊豆スカイライン走行
- 16:00 土肥温泉または西伊豆の宿にチェックイン
- 17:00 恋人岬で夕日鑑賞(時間があれば)
- 18:00 宿で温泉・ディナー(金目鯛の煮付け)
【2日目】
- 8:00 宿出発
- 8:30 戸田港(タカアシガニ見学・朝市散策)
- 10:00 出逢い岬・煌めきの丘(絶景撮影)
- 12:00 大瀬崎(神池散策・ランチ)
- 14:00 沼津港(深海魚料理・沼津港深海水族館)
- 16:00 沼津港でお土産購入(アジの干物など)
- 17:00 沼津IC出発
- 19:00 名古屋着
このプランDは、東海・関東ライダーにとって「憧れの道」として長年愛され続けてきた王道中の王道です。完璧に整備された路面、適度な交通量、そして富士山と駿河湾の絶景が、バイクの走る喜びを最大限に引き出してくれます。ターンパイク箱根の滑らかなコーナー、伊豆スカイラインの稜線ワインディング、西伊豆スカイラインの空中浮遊感、それぞれが異なる個性を持ち、ライディング技術の向上にも最適です。有料道路の料金はかかりますが、その価値は十分にあります。制限速度を守り、安全マージンを十分に取って、富士山と伊豆の絶景ワインディングを存分にお楽しみください!
📝 記事ご利用上の注意事項
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本記事で使用している画像は、すべてイメージ画像です。実際の風景や施設の様子とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
⏱️ 所要時間について
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💰 料金・営業情報について
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安全運転を心がけ、素晴らしいツーリングをお楽しみください!🏍️

