甲信越ツーリング王道ガイド|一度は走るべき絶景ルート決定版 

「王道には、王道たる理由がある」

甲信越地方(山梨・長野・新潟)のメジャールートは、何十万人ものライダーが走り、感動し、「また来たい」と思わせる圧倒的な魅力を持っています。

ビーナスライン、富士山周遊、志賀草津道路...これらの名前を聞いて心が躍らないライダーはいないでしょう。

「定番」は「ありきたり」ではありません。

時代を超えて愛され続ける普遍的な価値、整備された路面、充実した観光施設、そして何より圧倒的な絶景...これらすべてが揃っているからこそ「王道」なのです。

このガイドでは、初心者からベテランまで、誰もが感動できる甲信越の王道ルートを完全網羅します。


Part 1:甲信越が誇る「三大王道ルート」

■ ビーナスライン(長野県)- 日本最強のスカイライン

全長: 約76km 標高: 1,400〜2,000m 所要時間: 2〜3時間

白樺湖から霧ヶ峰、美ヶ原高原へと続く、日本を代表する高原スカイライン。

全線無料・信号なしの快走路で、空に向かって走るような開放感が魅力です。

基本ルート: 白樺湖 → 霧ヶ峰高原 → 車山高原 → 美ヶ原高原

絶対外せない絶景ポイント:

車山高原: 標高1,925mの展望リフトで山頂へ。360度のパノラマは八ヶ岳・南アルプス・中央アルプス・北アルプス・富士山まで見渡せます。リフト往復1,700円。

霧ヶ峰高原: なだらかな高原に広がるニッコウキスゲ(7月上旬〜中旬)の黄色い絨毯。高原を吹き抜ける風が心地よい癒しスポット。

美ヶ原高原: 標高2,000mの台地に広がる360度パノラマ。「美しの塔」周辺は牧歌的な風景と絶景の融合。

ライダーのための実践アドバイス:

  • ベストタイム: 早朝6〜8時(観光バス前、雲海遭遇率高)
  • ベストシーズン: 5〜6月(新緑)、7月(ニッコウキスゲ)、10月(紅葉)
  • 防寒必須: 真夏でも20℃前後、風が強い
  • 冬季閉鎖: 11月中旬〜4月下旬
  • 給油: 白樺湖または蓼科で満タン推奨

■ 志賀草津道路(国道292号)- 雲上の絶景ルート

全長: 約40km 最高地点: 標高2,172m 所要時間: 1.5〜2時間

長野県山ノ内町から群馬県草津町へ抜ける、日本国道最高地点を通る山岳ルート。

火山性の荒涼とした景色と眼下の雲海は、まさに「雲の上」の世界です。

基本ルート: 湯田中温泉 → 志賀高原 → 渋峠(国道最高地点) → 草津温泉

絶対外せない絶景ポイント:

渋峠(標高2,172m): 日本国道最高地点の石碑は記念撮影必須スポット。眼下に広がる雲海と、遥か彼方の山々の連なりは圧巻。

渋峠ホテル: 峠の頂上に建つホテル。展望テラスからの景色は360度パノラマ。ここでのコーヒータイムは至福の時間。

草津白根山火口: エメラルドグリーンの火口湖(湯釜)。火山活動により立ち入り規制の場合あり、事前確認必須。

ライダーのための実践アドバイス:

  • 真夏でも防寒必須: 標高2,000m超、気温10℃以下も
  • ヘアピンカーブ連続: 慎重な走行を
  • 強風注意: バイクが煽られることも
  • 冬季閉鎖: 11月上旬〜4月下旬
  • 給油: 湯田中または草津で満タン必須

温泉セット:

  • 湯田中温泉: 出発前の朝風呂で身体を温める
  • 草津温泉: ゴール後の締めの温泉、湯畑散策も

■ 富士山周遊ルート – 富士山全方位体験

総延長: 約80km 所要時間: 3〜4時間(観光込み6〜8時間)

富士山の北麓に広がる五つの湖を結ぶ、日本を代表する絶景ルート。

山中湖・河口湖・西湖・精進湖・本栖湖それぞれから見る富士山の表情の違いが魅力です。

基本ルート: 中央道河口湖IC → 河口湖大橋 → 山中湖 → 忍野八海 → 河口湖 → 西湖 → 精進湖 → 本栖湖 → 朝霧高原

絶対外せない撮影スポット:

山中湖パノラマ台: 山中湖と富士山を一望する定番ビュースポット。
早朝の「逆さ富士」は息を呑む美しさ。

本栖湖(千円札ビュー): 千円札の裏面に描かれた富士山の構図がここ。
湖畔の展望台から、お札と同じアングルで撮影できます。

富士スバルライン: 河口湖から富士山五合目(標高2,305m)まで一気に駆け上がる山岳道路。
料金:二輪1,050円(往復)

道志みち(国道413号): 相模湖から山中湖へ抜ける、バイク乗りの聖地。
適度なワインディングと緑のトンネルが続きます。

ライダーのための実践アドバイス:

  • 早朝推奨: 6〜8時が雲のない富士山遭遇率最高
  • 富士スバルライン注意: マイカー規制期間(7〜9月)は事前確認必須
  • 防寒必須: 五合目は麓より15〜20℃低い
  • 給油: 河口湖・富士吉田市街で満タン推奨

Part 2:【エリア別王道スポット】

山梨県の王道

■ 八ヶ岳・清里・野辺山高原ルート

韮崎IC → 国道141号 → 清里高原 → 清泉寮(ソフト)
→ 野辺山高原(JR最高地点・国道最高地点) → 小海線沿いに佐久方面

高原のストレート+緩いワインディングが気持ちよく、排気量問わず楽しめます。
清里〜野辺山は真夏でも涼しく、避暑ツーリングの定番です。

■ ほったらかし温泉&フルーツライン

勝沼IC → フルーツライン(甲府盆地を見下ろす快走路)
→ ほったらかし温泉(あっちの湯・こっちの湯)

早朝または夕方〜夜が最高。甲府盆地の夜景、朝焼け、雲海と組み合わせると絶景です。

長野県の王道

■ 上高地 – 日本屈指の山岳リゾート

アクセス: 長野道松本IC → 国道158号 → 沢渡駐車場 → シャトルバス

注意: マイカー規制のため、沢渡駐車場(二輪600円)からバス利用必須。
バス料金:往復2,500円

河童橋: 上高地のシンボル。
橋の上から見る穂高連峰と梓川の景色は、まさに絵画のような美しさ。

大正池: 焼岳の噴火でできた神秘的な池。立ち枯れの木々が水面に映る幻想的な景色。

■ 白馬・八方尾根

アクセス: 長野道安曇野IC → 国道147・148号 → 白馬村

八方池: 標高2,060m、池に映る白馬三山の「逆さ白馬」は息を呑む美しさ。
ゴンドラ+リフト+徒歩1時間で到達。

青鬼集落: 重要伝統的建造物群保存地区。
棚田と茅葺き古民家、背後に北アルプスという日本の原風景。

新潟県の王道

■ 奥只見シルバーライン

全長: 約22km トンネル数: 18本 所要時間: 片道40分

関越道小出IC → 国道352号 → 奥只見シルバーライン

かつてのダム建設道路を一般開放した、トンネル群を抜けて奥只見ダムへ至る独特のルート。
薄暗いトンネルを抜けた先のエメラルドグリーンの湖面は別世界です。

■ 妙高高原

アクセス: 上信越道妙高高原IC → 国道18号

いもり池: 池に映る妙高山の「逆さ妙高」は絶景。早朝の霧の中の撮影が幻想的。

苗名滝(なえなたき): 落差55mの豪快な滝。「地震滝」とも呼ばれる轟音が圧巻。


Part 3:【王道完全制覇】モデルコース

COURSE A:【日帰り】富士山&道志みち・王道満喫コース

総走行距離: 約300km 所要時間: 8時間

タイムスケジュール:

  • 06:00 首都圏出発(早朝渋滞回避)
  • 08:00 相模湖 → 道志みち → 山中湖
  • 09:30〜12:00 富士五湖周遊(山中湖→河口湖→西湖→本栖湖)
  • 13:00〜15:00 富士スバルライン(五合目で雲海体験)
  • 15:30 河口湖IC(帰路開始)
  • 17:00 帰宅

COURSE B:【1泊2日】ビーナスライン&志賀草津・天空回廊コース

【1日目】ビーナスライン制覇(約250km)

  • 首都圏 → 中央道諏訪IC
  • ビーナスライン(白樺湖→霧ヶ峰→美ヶ原)
  • 松本市街泊

【2日目】志賀草津道路(約250km)

  • 松本 → 志賀高原
  • 志賀草津道路(渋峠→草津温泉)
  • 草津温泉散策 → 関越道で帰路

COURSE C:【2泊3日】甲信越王道グランドツアー

【1日目】富士山満喫(約200km)

  • 首都圏 → 中央道河口湖IC
  • 富士五湖周遊 → 富士スバルライン
  • 河口湖温泉泊

【2日目】ビーナスライン制覇(約250km)

  • 河口湖 → 中央道諏訪IC
  • ビーナスライン → 上高地(沢渡駐車場→シャトルバス)
  • 松本市街泊

【3日目】志賀草津道路(約250km)

  • 松本 → 志賀高原 → 志賀草津道路
  • 草津温泉 → 関越道で帰路

Part 4:王道ツーリング実践アドバイス

混雑回避の鉄則

時間帯戦略:

  • 早朝6〜8時: 観光バス前、霧・雲海遭遇率高
  • 平日: 週末の1/3の交通量
  • 夕方16時以降: 観光客減少、夕日の絶景

シーズン戦略:

  • GW・お盆: 避けるべき、大渋滞確実
  • 6月梅雨時: 晴れ間狙いで空いている
  • 9月平日: ベストシーズン、空いている

撮影テクニック

愛車と絶景の構図:

  • サイドアングル: 景色を背景にバイクを斜めから
  • ローアングル: 地面スレスレから空を広く
  • 俯瞰: 高台から見下ろす構図

時間帯別の光:

  • 早朝: 柔らかい光、霧の幻想感
  • 正午: コントラスト強い、影が濃い
  • 夕方: 黄金色の光、ドラマチック

安全走行のポイント

観光地特有のリスク:

  • 観光客の飛び出し(駐車場周辺)
  • 記念撮影中の歩行者(展望台周辺)
  • 観光バスの急停車
  • レンタカーの不慣れな運転

対策:

  • 展望台・駐車場周辺は徐行
  • 追い越し時は十分な距離を
  • クラクション控えめ(観光地マナー)

ライダー文化

ヤエー(Yaeh!)推奨エリア: ビーナスラインや道志みちでは、すれ違うライダー同士が手を挙げて挨拶する「ヤエー」が盛んです。

恥ずかしがらずに手を振り返してみましょう。

旅の楽しさが倍増します。


Part 5:王道グルメ&温泉完全ガイド

山梨県の王道グルメ

ほうとう:

  • 小作 河口湖店: 観光客に人気、1,100円
  • 皆吉: 地元民御用達、950円

富士山麓の恵み:

  • 吉田のうどん: コシ強め、キャベツ・馬肉トッピング、500円
  • 信玄餅ソフトクリーム: 桔梗屋本店、450円

長野県の王道グルメ

信州そば:

  • そば処 山家(諏訪): 霧ヶ峰の麓、本格手打ち、1,200円
  • 美ヶ原高原 山本小屋: 絶景そば、1,000円

高原野菜:

  • 車山高原カフェ: 高原野菜カレー、1,200円
  • 清泉寮のソフトクリーム: 濃厚な味と富士山の眺望、450円

新潟県の王道グルメ

へぎそば:

  • 小嶋屋総本店(十日町): 新潟名物、つなぎに布海苔、1,300円

魚沼産コシヒカリ:

  • 道の駅 南魚沼: 釜飯、おにぎり、本物の味

王道日帰り温泉

山梨県:

  • ほったらかし温泉: 甲府盆地一望、800円
  • 富士眺望の湯 ゆらり: 富士山ビュー、1,400円

長野県:

  • 白馬八方温泉: 北アルプス眺望、800円
  • 上諏訪温泉: 諏訪湖畔、駅近、600円

新潟県:

  • 赤倉温泉: 妙高山麓、共同浴場500円
  • 燕温泉: 野天風呂無料(河原の湯、黄金の湯)

Part 6:季節別・王道ルートの表情変化

春(4〜6月):新緑と残雪

おすすめルート:

  • 富士五湖(桜と富士山、4月下旬)
  • 志賀草津道路(雪の回廊、4月下旬〜5月)
  • 上高地(新緑、5月〜6月)

注意点:

  • 標高の高いルートは5月まで冬季閉鎖
  • 朝晩の冷え込み、防寒対策必須

夏(7〜8月):涼を求めて高原へ

おすすめルート:

  • ビーナスライン(ニッコウキスゲ、7月)
  • 白馬・八方尾根(高山植物、7〜8月)
  • 妙高高原(避暑、真夏でも涼しい)

注意点:

  • 観光シーズンで混雑
  • 午後の雷雨に注意
  • 真夏でも標高2,000m超は長袖必要

秋(9〜11月):紅葉の絶景

おすすめルート:

  • 志賀草津道路(紅葉、10月上旬)
  • ビーナスライン(紅葉、10月中旬)
  • 奥只見シルバーライン(紅葉、10月中旬)

注意点:

  • 紅葉シーズンは混雑
  • 日没が早い、15時には下山開始
  • 朝晩の冷え込み激しい

冬(12〜3月):冬季限定の美

冬でも楽しめるルート:

  • 富士五湖(雪化粧の富士山)
  • 妙高高原(スキー場周辺)

注意点:

  • 多くの高原道路が冬季閉鎖
  • 凍結路面、スタッドレス装着でも慎重に
  • 日照時間短く、行動時間限定

Part 7:装備・持ち物チェックリスト

必携装備

ナビゲーション:

  •  スマホ+マウント
  •  モバイルバッテリー
  •  紙地図(バックアップ)

安全装備:

  •  ETCカード
  •  健康保険証
  •  現金(高速・駐車場・入場料用)
  •  レインウェア上下

防寒対策:

  •  防風インナー(標高差対策)
  •  予備グローブ
  •  ネックウォーマー

撮影機材:

  •  カメラ or スマホ
  •  予備バッテリー
  •  自撮り棒 or 三脚

給油戦略

基本原則:

  • 山間部に入る前に、必ず「麓の街」で満タンに
  • 残り航続距離150kmを切ったら次の町で給油必須
  • 休日の山間部GSは休業の場合もあり、事前確認推奨

要注意エリア:

  • ビーナスライン周辺:諏訪IC付近または白樺湖周辺で給油
  • 志賀草津道路周辺:中野市街または草津温泉街で給油
  • 上高地周辺:松本市街で給油

最後に:王道ルートの真価

メジャールートは「ありきたり」ではありません。

何十万人ものライダーが「また来たい」と思う普遍的な価値がそこにあります。

整備された路面、充実した施設、そして何より圧倒的な絶景...

これらすべてが揃っているからこそ「王道」なのです。

初めての甲信越ツーリングなら、まず王道から。 ベテランライダーも、季節を変えて何度でも。

晴れた日のビーナスラインでヘルメットの中で叫ぶ爽快感、志賀草津道路で感じる地球の息吹、富士山を横目に走る高揚感...これらは、バイク乗りとしての原体験となるはずです。

時代を超えて愛され続ける甲信越の王道ルート。その魅力を、あなた自身の目で、身体で、心で感じてください。

さあ、エンジンをかけて、日本最高峰の絶景ロードへ。

このガイドが、あなたの甲信越王道ツーリングを最高のものにする一助となれば幸いです。

安全運転で、素晴らしい絶景との出会いを心ゆくまで楽しんでください。

Ride the Legend! 王道の感動を、その手に!

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